呼吸が整うとは? 〜姿勢・コア・心にまで効く、呼吸の話〜
こんにちは、ストレッチLIFEです。
今回は、「呼吸が整うとはどういうことか?」について掘り下げてみます。
私たちは毎日、無意識に2万回以上の呼吸をしています。
でもその呼吸、「整っている」と言えるでしょうか?
呼吸は“自律的”に行われるものですが、
実は姿勢・体幹(コア)・自律神経・疲労感
にまで大きな影響を与えています。
そして先日お伝えした「インナーマッスル(コア)」とも、
呼吸は深く関わっているんです。
呼吸が乱れているとき、身体では何が起きている?
まず「呼吸が整っていない状態」とは、こんなサインが見られます。
- 呼吸が浅く、胸だけで吸っている
- 息を止めるクセがある(特に緊張時や力を入れるとき)
- 肩がすくみ、首に力が入りやすい
- 姿勢が崩れていて、肋骨や横隔膜が動きづらい
つまり、呼吸に“余裕がない”状態。
これでは、酸素も十分に取り込めず、
身体も心も無意識に力んでしまいます。
呼吸のメカニズムと、整っている状態とは?
まず、呼吸の仕組みを少しだけ整理してみましょう。
息を吸うとき、肺が膨らむためには
横隔膜が下がる必要があります。
そのとき、横隔膜に押された内臓は下方向に移動し、
行き場を失ってお腹がふわっと膨らみます。
これが、いわゆる“腹圧を保った吸気(ブレーシング)”。
反対に、息を吐くときには、
横隔膜がゆっくりと上がっていき、内臓も元の位置に戻っていく。
それに伴い、お腹はスッと細くなり、
これが“ドローイン(腹を凹ませる動き)”と呼ばれます。
この吸う・吐くの動きが、力みに頼らず、自然に繰り返されることが
“呼吸が整っている状態”です。
ところが、呼吸がうまくできていない人は、
- 横隔膜がうまく下がらず、
- 肩や首まわりの筋肉で無理に息を吸い、
- 肋骨をグッと持ち上げて呼吸しようとする
という代償動作を無意識に繰り返しています。
このクセが姿勢の乱れにもつながり、
さらにそれを1日2万回以上繰り返していると考えると……
想像以上に、身体にとっては大きな負担です。
だからこそ、“呼吸が整う”ことは、
身体の深い部分からのリセットにつながるのです。
呼吸が整ってくるとどうなるのか?
一方、呼吸が整ってくると、
- お腹や肋骨まわりがふんわり動く
- 肩や首の力みが抜ける
- 背骨がスッと立ち、自然に姿勢が整う
- 自律神経が安定し、リラックスや集中力が高まりやすくなる
そしてここがポイント。
呼吸が整うと、インナーマッスル(コア)が自然と働きやすくなるのです。
なぜなら、呼吸の主役である「横隔膜」は、インナーマッスルの一部。
つまり、呼吸が整うことで体幹の内側が安定し、
姿勢・動作・疲れやすさすら変わってきます。
「呼吸でコアを安定させる」ってどういうこと?
ここで少し専門的な話になりますが、
私たちがいう“コアの安定”とは、
横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋が連動して働いている状態のこと。
この4つは、呼吸と共に働くことが理想的。
でも逆に言えば、呼吸が浅い・固い状態だと、
コアもうまく使えなくなるのです。
「姿勢をよくしよう」と頑張って胸を張っても、
呼吸が止まってしまえば本末転倒。
“自然と呼吸できる姿勢”こそが、本当に良い姿勢だと言えるでしょう。
最後に
呼吸が整うとは、ただ“深く吸う”ことではなく、
「力みなく自然に吸って、吐けている状態」のこと。
それは身体の軸(コア)を整え、
動きやすさや疲れにくさ、さらにはメンタルの安定にもつながります。
「最近なんとなく疲れやすい」
「姿勢を気にしてるのに変わらない」
そんなとき、もしかすると鍵は“呼吸”にあるかもしれません。
見落とされがちだけど、実は最も身近な身体のコンディショニング。
ぜひ一度、自分の呼吸を見直してみてください。